「自然徒然 じねんつれづれ」

”団塊世代の申し子”の筆者は、戦後の時代や社会の様相、価値観の多様な変節期を経て現在に至っています。ここに「自然徒然・じねんつれづれ」と題して、日々の生活のなかで想うことを書き留めたいと思います。絶え間なく変容するさまざまな姿に翻弄されることなく、変わらないカタチのありかと意味を探っていきます。

 
vol.1 「ブータンという国」
 
「自然」と「デザイン」に関して、筆者の体験的原点を探っていくなかで「ブータンという国」(ブータン王国は、ヒマラヤ山脈東部に位置し、チベッット仏教を国教とする小さな国です)にいきあたりました。20数年前にもなりますが、ブータンを訪れる機会を得ました。手許には当時の記録が散逸してしまい、記憶を呼び覚ましての簡単な紹介になることをご理解ください 。いままでは、自身の体験履歴の一つでしたので、さほど意に留めることはありませんでした。ですが、ここに「自然デザイン」を再び標榜するに当たり、想いと記憶の地下水脈には、どこかで彼の国が枯渇せずに残っていたのかもしれません。

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各所に在るゾン<城砦>

ブータンは、近年「国民総幸福量(GHP)一番の国」として脚光を浴びていることは多くの人が知るところです。学術的にも、中尾佐助著『秘境ブータン』、上山春平編『照葉樹林文化』などをはじめとして、東アジアにおける地勢的な観点からも「ブータンという国」は、日本の風土や文化と無縁ではないことが語られています。しかし、特に現代社会においては、両者の自然に対する理解と社会生活における人々の価値観は比肩するまでもなく、大きな距離感があるのではないでしょうか。
回帰的な想いだけでは、生活の佇まいと質の違いをひも解くことはできませんが、比較生活学の視点で見つめ直すことには大きな意義があると思います。

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ゾン<城砦>

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ゾン<城砦>

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ヒマラヤ山脈を眺望

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農村風景

私が体験したことは、知見や研究が前提にあったことではありません。「自然」と「人間」が交差する原初の路(Path)と思えるような一端を、この国・ブータンに垣間見た感がしたことに拠ります。ひるがえって「日本という国」を見つめる契機になればと関心を新たにしています。ここに「ブログ・自然徒然」の第1話としてとりあげました。

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タクツァン僧院(スケッチ:筆者)

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繋がれた犬は見なかった–

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曼荼羅絵図(仏画教室での習作)

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僧院内の若き修行僧たち

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ダル・シン(経文が書かれている布地)

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ダル・シン(経文が書かれている布地)

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民族衣裳(男性用「ゴ」)

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民族衣裳(女性用「キラ」)

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バルド・チャムのお面(ブータン展より:2016)